知らないと怖い!
犬のフィラリア症と正しい予防法

毎年の「当たり前」になっているフィラリア予防。
そもそもフィラリアって何?なぜ怖いの?をわかりやすく解説します。

⚠️
フィラリアは「予防できる病気」です。でも予防しなければほぼ100%感染リスクがある、怖い病気でもあります。この記事を読んで、今シーズンの予防を確認してみてください。

01
フィラリアって何?

そうめんみたいな虫が
心臓に住み着く、恐ろしい寄生虫

フィラリアとは、正式名称「犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)」という寄生虫のことです。その名の通り、そうめんのような細長い見た目をしていて、成虫になると体長なんと20〜30cmにもなります。この虫が犬の心臓や肺の血管に住み着いて、血液の流れを妨げることで、さまざまな深刻な症状を引き起こします。

感染経路は「蚊」です。フィラリアに感染している犬の血を吸った蚊が、別の犬を刺したときに幼虫(ミクロフィラリア)を体内に送り込みます。幼虫は皮膚の下や筋肉の中を2〜3ヶ月かけて移動し、その後血管に入り込み、さらに6〜7ヶ月かけてゆっくりと心臓へ向かって成長していきます。

POINT
犬から犬へ直接うつることはありません。感染は必ず「蚊を介して」起こります。だから室内飼いのコでも、蚊が家の中に入ってくれば感染リスクがあります!

こわいのは、感染してもすぐに症状が出ないこと。幼虫が体内にいる段階では無症状のことがほとんどで、成虫が心臓に住み着いて数が増えてきてから、じわじわと症状が出てきます。気づいたときにはすでに重症化していた……というケースも少なくありません。

「うちのコは元気だからフィラリアはいないはず」は要注意。初期はほぼ無症状なので、検査しないとわからないんです。

02
こんな症状が出たら注意

初期は無症状……
でも進行すると命に関わります

フィラリア症の症状は、感染してから数年後に出てくることもあります。初期の段階では本当に元気なので、飼い主さんが気づくのが難しいのが現状です。でも、こんな症状が出てきたら要チェックです。

初期〜中期
乾いた咳が続く

初期〜中期
疲れやすい・元気がない

初期〜中期
運動を嫌がるようになった
⚖️

中期
体重が減ってきた

重症
お腹が膨らんできた(腹水)

重症
血色素尿(赤い尿)が出る

末期になると呼吸困難や失神を引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります。また、心臓だけでなく腎臓や肝臓にもダメージを与えることがわかっています。

症状だけでフィラリア感染を確認するのは難しいので、「なんか最近咳してるな」「元気がないな」と感じたら、まずはかかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。血液検査でわかります。

03
感染してしまったら

治療はとても難しい。
だから「予防」が何より大切なんです

残念ながら、フィラリア症は一度感染してしまうと治療がとても大変です。「治療法はない」と表現する獣医師もいるくらい、根本的な完治が難しい病気です。

治療の選択肢としては、成虫を殺す駆虫薬の投与や、ゆっくり薬で成虫を減らしていく「スローキル法」(12ヶ月以上かかることも)などがあります。外科手術で血管から成虫を取り出す方法もありますが、リスクが高く、一般的な動物病院では実施できないことも多いです。

⚠️
注意
すでに感染している犬に予防薬を投与すると、体内の虫が急に死んで血管を詰まらせる危険があります。だから予防を始める前や再開する前には、必ず血液検査でフィラリアがいないか確認することが大切です!

「治療するより予防する方がずっと簡単で確実」——これがフィラリアに対する獣医師さんの共通の見解です。月に1回の予防薬でほぼ100%防げるのに、感染してしまうと長期間にわたる大変な治療が必要になります。愛犬のためにも、予防を続けることが本当に大切なんです。

✅ フィラリアは「予防さえすれば怖くない病気」です。正しい知識を持って、毎年しっかり予防してあげましょう!

04
正しい予防方法

月1回の予防薬で
ほぼ100%防げます!

フィラリアの予防はシンプルです。月に1回、予防薬を投与するだけ。これを正しく続けることで、ほぼ確実に愛犬をフィラリアから守ることができます。

1
まず血液検査を受けよう
予防を始める前や、冬に一度お休みして再開する場合は、必ず血液検査でフィラリアがいないか確認しましょう。すでに感染しているコに予防薬を飲ませると危険なことがあります。
2
投与開始のタイミングは「蚊が出始めてから1ヶ月後」
一般的には5月ごろから11月ごろが投与シーズン。ただし蚊がいなくなってからも1ヶ月は続けることが大切です。
3
毎月忘れずに!飲み忘れに注意
1ヶ月に1回の投薬を忘れると、その間に感染するリスクが上がります。カレンダーやスマホのリマインダーで管理するのがおすすめです。
4
温暖化の影響で「通年投与」も増えています
最近は気温の上昇で冬でも蚊が活動することがあります。通年で毎月投与する方法も多くの獣医師さんに推奨されるようになってきました。かかりつけ医に相談してみましょう。

予防薬にはいろいろな種類があります。愛犬に合ったものを獣医師さんと相談して選んでみてください。

錠剤・チュアブルタイプ
一番メジャーな飲み薬。おやつ感覚で食べられるチュアブル錠も人気です。
スポットタイプ(塗り薬)
首の後ろに垂らすだけ。飲み薬が苦手なコにおすすめ。
注射タイプ
1年に1回の注射で予防できます。毎月の投薬が難しい場合に便利です。
オールインワンタイプ
フィラリア+ノミ・ダニ+内部寄生虫を1種類でまとめて予防できる薬もあります。
コリーやシェパードなどの一部の犬種は、特定の成分に敏感なことがあります。犬種によっては注意が必要なので、かかりつけ医に相談しながら薬を選んでもらいましょう。