日本と海外、犬の環境はこんなに違う — 世界の犬事情から考える「幸せな飼い方」
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日本と海外、犬の環境はこんなに違う
— 世界の犬事情から考える「幸せな飼い方」

ドイツ・イギリス・アメリカ・スウェーデン——ペット先進国と呼ばれる国々の犬事情を知ると、日本の「当たり前」が変わって見えてくる。

「欧米では犬はもっと自由に暮らしている」——そんな話を聞いたことはないでしょうか。日本でも近年、犬は「番犬」から「家族」へと位置づけが大きく変わりました。しかし法律・文化・住環境の面で見ると、ペット先進国と呼ばれる国々と日本の間には、まだ大きな差があります。今回は世界の犬事情と日本を比較しながら、「犬が幸せに暮らせる環境」について考えてみましょう。

変わりつつある日本の犬との暮らし

かつての日本では、犬は番犬や猟犬として屋外で飼うのが一般的でした。ところが昭和後期から小型犬の人気が高まり、室内飼育が主流に。今では日本人飼い主の約72.9%が「ペットを人間の家族と同等の存在だ」と考えているという調査結果もあります。

法律面でも前進があり、2019年の改正動物愛護管理法によってマイクロチップの義務化や罰則強化が行われました。一方で「日本はペットに関してまだまだ発展途上国」という海外からの指摘も根強くあります。実際に世界と比べると、その差は歴然としています。

ペット先進国はどう違うのか

代表的な4か国の犬事情を見てみましょう。日本との違いが、くっきりと浮かび上がります。

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ドイツ — 「犬大国」と呼ばれるペット先進国のトップランナー

ドイツは動物愛護の法整備が世界でも最も進んだ国のひとつ。ベルリンにはヨーロッパ最大の動物保護施設「ティアハイム(動物の家)」があり、獣医師やトレーナーが常駐しています。

  • ペットショップでの生体陳列販売は法律で禁止。ブリーダーとの面接・予約が基本
  • 生後8週間以内に母犬と離すことは禁止、生後1歳まで室内飼育が義務
  • 地域によっては1日に犬と過ごさなければならない最低時間が決められている
  • しつけが徹底されているため、電車・バスなどの公共交通機関に犬がそのまま乗れる
🇬🇧
イギリス — 「犬は仲間・家族」が深く根づいた文化

イギリスでは「犬は家族・仲間」という意識が非常に強く、子どもを教育するように当然のごとくトレーニングスクールに通わせます。その結果として公園でのノーリード散歩も一般的で、犬同士のトラブルも少ないといいます。

  • ペットショップでの犬・猫の販売が禁止。ブリーダーから直接引き取るのが原則
  • イングランドでは生後6か月以下の子犬・子猫の第三者販売を禁止
  • 飼い主は適切な食事・水・運動の機会を確保する義務がある
  • レストランやホテルも、しつけされた犬なら同伴OKの場所が多い
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アメリカ — 犬は「家族の一員」。罰則も厳しい

広大な国土を持つアメリカでは法律が州ごとに異なりますが、「犬は家族の一員」という意識はどの州でも共通しています。専門トレーナーに依頼する家庭が多く、しつけされていない犬の方が少ないといわれるほど。

  • 動物を傷つけた場合は「動物虐待罪」が適用され、重い罰則がある
  • 州によってはペットショップでの犬の販売が禁止され、シェルターからの引き取りが一般的
  • ロサンゼルス市では24時間のうち3時間以上繋留したままにすると虐待に該当
  • 大型犬もワンルームの室内で飼われることがほとんどで、外飼いはほぼ見かけない
🇸🇪
スウェーデン — 「動物らしいニーズを満たす」という哲学

北欧の動物愛護の根本には「動物が本来持つニーズを満たすこと」という考え方があります。飼い主の責任感が非常に高く、「飼えるかどうか」を慎重に判断するため飼育率はそれほど高くありませんが、飼育の質は世界トップクラスです。

  • 1日2回以上犬の様子を確認すること・6時間以上ひとりにしてはいけないと法律で規定
  • ケージに入れたまま過ごさせることは原則禁止(ドッグショー・輸送などは例外)
  • 屋外で2時間以上繋ぎ飼いすることも禁止
  • アパート・マンションでも「ペット不可」物件は存在せず、飼育が当然の権利として認められている

項目別に見る、日本と海外の差

国ごとの事情を整理すると、日本と海外の差がはっきりと見えてきます。

比較項目 日本 ペット先進国
犬の入手方法 ペットショップでの生体販売が主流 ブリーダー直接・シェルター里親が主流。生体陳列販売は禁止の国が多い
法律の細かさ 改正動物愛護法で前進するも規制は緩め 繋留時間・ケージサイズ・1日の接触時間まで細かく規定
公共交通機関 基本的にケージ必須、乗車できる路線は限定的 ドイツ・イギリスはしつけされた犬ならそのまま乗車可能
住環境 集合住宅の「ペット可」物件探しに苦労することが多い フランス・スウェーデンではペット不可物件が法律で禁止
しつけの意識 個人差が大きい。トレーナーに依頼する習慣はまだ少数 子犬のうちにトレーニングスクールへ通わせるのが当たり前
飼い主の責任 意識は高まっているが罰則は欧米より軽い 虐待・放置への罰則が重く、飼育環境の最低基準が法律で明文化

変わりつつある日本のペット文化

海外と比較すると課題は多いものの、日本のペット文化が前進していることも確かです。

✅ 日本で進んでいること
  • 室内飼育が主流となり、環境・フードへの意識が大幅に向上
  • ペット可マンション・ドッグラン・ペット同伴カフェなどの施設が増加
  • 大手ペットショップチェーンが生体販売を縮小する動きが出始めている
  • 殺処分ゼロを目標に掲げ成果を上げる自治体が増えている
  • SNSを通じて海外のペット文化が広まり、飼い主の意識が変わりつつある
💡 「外飼い」と気候変化の問題

日本では今なお約93万頭の犬が屋外で飼われているとされています。しかし近年の異常気象により、外飼いの犬が熱中症や低体温症になるケースが増加。気候の面からも、室内飼育への移行がこれまで以上に重要になってきています。

世界を知ることで、自分の「当たり前」が変わる

ドイツの細かな法規制、イギリスのしつけ文化、スウェーデンの「動物らしさを守る」という哲学——世界の犬事情を知ると、飼い方について改めて考えさせられることがたくさんあります。

日本のペット文化は確実に進化していますが、「犬が本当に幸せに暮らせる環境」という視点では、まだ学べることが多くあります。海外の事例を参考に、愛犬にとってより豊かな暮らしを一緒に考えていけたら嬉しいです。

「どんな環境で暮らさせてあげたいか」——世界の犬たちの暮らしを知ることは、その答えを見つけるヒントになるかもしれません。

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